花の記録 ラナンキュラス オルレアン
花の記録 −01-
ラナンキュラス オルレアン

幾重にも重なる薄い花弁は、
触れればほどけてしまいそうなほど繊細でありながら、
中心へ向かうほど密度を増していく。
ラナンキュラスは、低温期にじっくりと育てられる花だ。
寒さの中で力を蓄えた株は、数百枚に及ぶ花弁を抱え、
ひとつの蕾の中に緊張感を秘めている。
オルレアンという品種は、とりわけ花弁の重なりが美しい。
外側の花弁がほどけはじめると、
その奥にさらに小さな花弁が現れる。
その先端だけが、かすかに赤い。
それは咲き進んで初めて見えてくる構造であり、
店頭で並ぶ段階ではまだわからない。
家に飾り、日ごとにひらく姿を見つめるなかで、
ようやく気づく奥行きだ。
花は、時間をかけて本質をあらわす。
日本の切花は、
生産地の冷たい空気や光、
栽培の手間と緊張感をそのまま抱えて市場に届く。
私は、そうした背景ごと花を見てきた。
そしてこれからは、その構造や気配も含めて記録していきたいと思う。
その静かな変化ごと、
手渡していくために。

── 並木容子
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2026-03-08
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