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楽しい時間

おかげさまで今年も母の日が無事終了いたしました。
 

 
  
 
毎年、花束やアレンジメントをずっと作り続けていていいという、
他にはなにも考えなくてもいいという、
私にとっては究極に楽しい日でもありますが、
今年はさらに、とっても楽しい母の日となりました。
  
 
まずは、以前はあまりにもたくさんの数の注文を受けていて、
途中で何がなんだかわかんなくなるくらい作っていたのですが、
(それも、お一人ずつ違う器に、違うイメージで)
そんな無理はもうやめよう!と決心して、
ご注文の受付数を少なくさせていただきました。
  
 
 
その分、当日店頭での受付が出来るようにして、
お一人お一人としっかり向き合って、
アレンジさせていただくことが出来ました。
 
  
 

 
 
  
 
 
そのせいかどうかわかりませんが、
今年は、小さなビニール製のピンクのお財布をたくさん目にしました。
 
小学生の女の子がたくさん来てくれたのです。
 
  
きっと何度も店に入る前に練習して来たのかな、
「えっと・・・」
「あの・・・
「お母さん・・・あっ! 母の・・・・えっと・・・」
こんな言葉が永遠に続くので、
「お母様へプレゼント?」
と水を向けると、
「そう、母の日です」とうれしそうに微笑む純白の笑顔の後、
「お母さんがここのお店が大好きなんです」
などと言ってくれるものですから、
単純な私はすっかり張り切って、
とびきりのブーケを作らせていただくことになり、
最後の
「うわ〜!」
という、小さなため息と笑顔と、軽いスキップを見れば、
ほんとに花屋で良かったと何度も思うことが出来ました。
 
  
 
 
店先でお母さんと喧嘩していた女の子は、
2本だけで良いというお母さんに対して、
「どうしてせっかくプレゼントしようとしてるのに、
 そういうこと言うの?
 なにか作ってもらおうよ!
 私がプレゼントするんだからさ!」
と膨らんだほっぺに尖った口先。
推定、小学校4年生。
  
 
私と視線の合ったお母様が困り顔で、
「家にも花があるので、2本だけで良いんですけれど・・・」
と私に訴えるのは、
お嬢ちゃんのお小遣いをたくさん使ってはいけないという母心ですよね。
 
こんなときこそ、お任せください!
  
 
膨れっ面のお嬢ちゃんに、
「じゃあさ、とびっきり素敵な花を2本、一緒に選ぼうよ!」
と提案すると、
きらん!とひらめいた顔つきで「うん!」と頷いて、
小走りで店内へ。
 
  
 
二人で一生懸命選んだのは、
バラのフェアビアンカ、イブライトピンク、オルフィーク。
 

 (この画像はその時のものではありません)
 
 
究極の3本でした。
「2本じゃなくていいの? お小遣い足りる?」と聞くと、
「2000円まで大丈夫」と頼もしい返事。
 
 
お母様が外観からこの店は高そうだと思っていらしたようで、
1本1000円くらいじゃないかと想像していたとのこと。
 
 
いえいえ、ジェンテはそんな無謀な値段はだしません。
もちろん、トルコキキョウ等、仕入れ値が高いものはそうなりますが、
1輪計算すれば、みんな500円以下のものばかり。
100円の花も、時には50円の花だってあります。 
 
 
すべてのバラの香りを一つ一つ嗅いで確認してもらって、
お嬢ちゃんはとってもうれしそうに、
「ブーケにして下さい」とお願いしてくれたので、
3本+α(私からのプレゼントのラムズイヤー数本)と一緒に、
束ねてラッピングさせていただきました。
 
 
「おばあちゃんの誕生日もここで買う!」と
お母さんに宣言したお嬢ちゃんの笑顔が、
この日のお母さんへの思いを満たすことが出来たかなと、
確認できた瞬間でした。
 
  
 
  
 
 
こんな小さな出合いが他にもたくさんあり、
小さな小さな四角いピンク色のビニールのお財布から、
六つ折になった1000円札を丁寧に広げる小さな指先を、
何度も目にすることが出来て、
ほんとに楽しくてうれしい、母の日を過ごすことが出来ました。
  
 
 
もちろん、他にも男の子がブルーのお財布を首から下げて来てくれたり、
お父さんが事前に注文して下さったアレンジメントを引き取りにきて、
花を見た瞬間、
「すげーきれい! パパ、すごい!」
と、準備の良いパパを絶賛する兄弟や、
様々な年齢の方々が、大好きでとっても大事なお母様のために、
一生懸命花を選ぶ姿を目にすることができたのは、
他に変えがたい素敵な時間となりました。 
 
  
 
カーネーションの1本を買われる方よりも、
むしろ「ブーケを作って下さい」と依頼して下さる方の多さに、
ジェンテとしての店の存在意義も感じることが出来ました。
 
  
 
私はやっぱり、お一人お一人と向き合って、
その方のために、
その方のためだけに、
大好きな花たちを束ねて行きたいのだと思います。
 
 
  
 
 
 
6月からジェンテはまたちょっと変わります。
 
傍目にはどう見えるかはわかりませんが、
私の中では進んでいる感じ。
 
いろいろなものがそぎ落とされて、
ほんとに大切な核に向かえている感じ。
 
 
小さな店の中に、究極の思いが宿ります。
 
 
 
そんな熱い思いと、揺るぎない決心が出来た母の日でした。
 
  
 
 
 
ほんとに、楽しくて、素敵な時間でした。
ありがとうございました!
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 

2013-05-13
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コメント2件

  • Toshihiro Uchida より:

    お久しぶりです。母の日無事に終わったようですね。
    よい母の日だったみたいで、お忙しい中にも微笑ましい出来事が
    あったりと充実した一日、いいですね。

  • なみき より:

    内田さん、お久しぶりです。
    母の日、お疲れさまでした!
    小さな店に移ったことで、こうした何気ない出来事を、
    ダイレクトに感じられるようになったのかもしれません。
    日々の暮らしは何でもないことの積み重ねだからこそ、
    そこに文字通り花をそえられる花屋になって行きたいです。

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