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西村玲子さんの個展を終えて

ご報告が大変遅くなりましたが、
無事に西村玲子先生の個展が終了いたしました。
 
 
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初日のオープン前からたくさんのお客様にお越しいただきました。
そして3日間、お客様が途絶えることがありませんでした。
   
本当にありがとうございました。
 
  
 
私も幼い頃からずーっと目にしていた西村玲子さんの作品が
ジェンテに並ぶというだけでも大変光栄でしたが、
あれよあれよという間に作品はお客様のお手元に渡って行きました。
  
 
そして、実に実に多くのお客様がお越しくださいました。
北海道や東北、名古屋、大阪、そして、九州。
もちろん関東の方も大勢いらしてくださいましたが、
多少の距離はそうでもないような気がしてしまうくらい、
本当に遠くから西村先生のファンが
この個展を目的に吉祥寺まで足を運んでくださいました。
  
 
こんな小さな目立たぬ花屋に道に迷いつつもお越し下さって、
申し訳ないと思うとともに、
改めて西村玲子さんの絶大なる人気というものに圧倒されました。
   
 
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今回、体調が整わず西村先生はお越しになれませんでしたが、
その代わりにお客様が私に色々とお話ししてくださいました。
そのほとんどが、
いかに西村玲子さんに励まされて生きてきたか、
西村玲子さんを見習ってきたか、
というものでした。
 
  
日本に住んでいるほとんどの女性は、
一度は必ず目にしている西村先生のイラストやエッセイ。
   
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軽くて明るいタッチで描かれた女性像は、
みなさんの身近な憧れであり、お手本だったのだと思います。
  
 
そして、西村先生が書かれたエッセイの中の、
日々の暮らしの小さくて豊かなものの見方に、
どれだけ励まされ、幸せをもらってきたかということを、
皆様が生き生きと語ってくださいました。
 
   
 
毎日の平凡な生活の中から見つける小さな幸せ。
  
その見つけ方はもちろん、
幸せの感じ方も教わってきたのだと思いました。
  
 
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もちろん、素晴らしい作家さんとは思っておりました。
その人気が何十年も変わらないということも素晴らしいと思っていました。
 
 
でも、ここまで女性の心の奥深くに西村先生が入り込んでいるとは。
 
私の想像をはるかに超えていたと思います。
 
 
西村先生は日本中の女性の心をそっと手を差し伸べるように、
優しく慰め支えてきたのだと思います。
 
 
それはもう、どんなイケメン役者さんや政治家よりも、
占い師やセラピストよりも、
もしかすると「花」そのものよりも、
もう、本当に心からその方の気持ちにに寄り添い、
優しく包み込むようにしながら、
様々な状況に立たされた市井の女性の心を、
なぐさめ、励ましてきてくださったのです。
    
 
 
 
 
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また、私が本当に素晴らしいと思ったのは、
会場にいらした多くのお客様が、
先生の作品はもちろんですが、
切花やブーケをお買い求めくださったことです。
  
  
花屋として単に売れて嬉しいとかそういうことではなく、
(多少それもありますが)
花を買うという文化を、
西村先生は根付かせてくださったのだと思ったのです。
  
  
花を買う幸せ、
花を愛でる心、
そうしたことから始まる幸せの時間。
 
それを西村先生がお教え下っさたのだと思いました。
  

  
ジェンテに初めてお越しになる方も多かったのですが、
皆様、まず花に対しての感想をおっしゃってくださり、
西村作品と同様に花もじっくりご覧くださいました。
 
本当に嬉しいお客様ばかりでした。
  
  
会期中ずーっとブーケを作っているという感じでしたが、
それもまた私にとっては大変幸せな時間でした。
 
   
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花を買うということは、大変贅沢なことだと私は今でも思います。
でも、花を買ったことで享受できる幸せは、
計り知れないと思うのです。
 
 
花を選ぶときのワクワク感、
花を包んでもらう時のドキドキ感。
花屋から帰る道すがらの高揚感。
花を飾ってほっとするひとときの幸福感。
花の手入れをして心癒される和みの気持ち。
花が命を全うする姿を見て敬意を払う心。
最後に全てなくなってしまった後の寂しさと清々しさ。
   
一本の花から受け取る幸せは限りなくて。
 
  
  
西村玲子さんはそんな何でもない幸せこそ、
自分を豊かに幸福に導いてくれるのだと、
多くの女性に語ってきてくださったのです。
 
 
そして、それが皆様の心に根付いているということ。
  
  
  
これは、文化勲章よりも人間国宝よりもノーベル賞よりも、
もっともっと多くの人に評価されて良いことだと思いました。
 
   
  
西村玲子さんは日本の多くの女性たちの心の拠り所でした。
  
 
その、西村玲子さんに励まされた女性たちが、
多くの家族を守ってきたのですから、
もしかすると、日本全体を支えてきたのは、
西村先生なのではないかとすら思ってしまいます。
  
 
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約2年前に、西村先生が「ジェンテで何かやりたいわ!」と
おっしゃってくださったことがきっかけで、
今回このような素晴らしい時間を与えていただいて、
私は本当にありがたいことだと心から思います。
 
 
そして、私も発見できました。
お手本にしたいと思う仕事の仕方を。
  
 
とても馴染みやすく優しく心に入り込んで、
全女性を幸せにしていくといことこそ、
私が花の仕事を通して実現したいことです。
 
難しそうにアレンジを作ったり、
デザイン的に仕上げてアート風にしていったり、
はたまた大量に花を使って圧倒したりするのではなくて。
 
でも、本当はそうしたある種の「難しさ」を表現した方が、
評価されやすくて、大切に扱われたりする世の中でもあります。
 

でもでも、やはり私は、
誰がご覧になっても優しく心に響き、
いつ見ても安心感があって、
嫌な気持ちは絶対にしない、
さりげなく何気なく心に寄り添うような、
むしろ癖になってしまって、また再び見たくなる。
そんなアレンジメントが作れたり、
そんな文章が書けたり、
そんな人になりたいと思いました。
  
 
 
 
後日、お礼のご挨拶にご自宅に伺った時も、
先生はオシャレをして待っていてくださって、
とっても美味しいお茶をご馳走になりました。
 
さらに、こんなプレゼントまで。
 
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このさりげない心配りこそ、
全女性たちから寄せられる信頼感と憧れなのだと、
改めて思って、長時間お喋りをさせていただきました。
 
楽しくて大切な時間でした。
 
 
  
今回、この全てをコーディネートしてくださったのは、
青山 ランジュパースのオーナー オリーブさんです。
 
ジェンテのアトリエ部分が
フランスのアパルトマンの一角のように
透明感のある素敵な空間になったのも、
オリーブさんのスタイリングによるものです。
 
西村先生をきちんとご紹介してくださったのが、オリーブさんなのです。
 
お持ちくださったフランスアンティークをはじめとした、
オシャレで素敵な花瓶も、たくさんのお客様にお求めいただきました。
花瓶とブーケを一緒にご購入くださった方も多く見受けられました。
 
 
本当にありがたいことです。
素敵な大人の女性に出会えて、
私はますます幸せなのだと実感する日々を過ごしています。
 
 
 
西村玲子さん instagram 
 
ランジュパースさん hp

 
 

2017-07-21
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コメント2件

  • 久戸瀬 泉 より:

    このブログと写真を見て思ったことを

    私はたまに心が疲れた時にお花をささやかに自分のために買いに行くのですが、
    そうだジェンテ行こう と思うときから気持ちが上向いているのです。
    ジェンテに入るとホッと力が抜けたり強ばったものがほどけていくようです。
    時にお店のなかで眠りたいと思うことがあります。
    アリエッティのように小さくなってここで密かに暮らしたいとか

    お花はいつもなぐさめです。
    殊にジェンテの花は

    私の人生のテーマは、若い頃は思いもしなかったことですが、よろこびをもって平凡に日々をおくることでそれはなかなか難しく叶いがたいことだとこの年になってもつくづく思います。
    西村さんの小品を手にしてしみじみと改めて思います。

    ありがとうございました。
    思いもよらぬ懐かしくああこういうことなのだと思う出会いの場をご用意いただいて。

    作家の浅田次郎さんは、お金のない貧しい若い頃、お金が入るとまず花を求め次に本を買い最後に食物を飼っていたとエッセイで書かれていました。

    私もその思いはとても感じいるところがあります。
    一輪の花にその力が、

    あまりうかがえなくても いつでもジェンテは私にとってそういう花屋です。

    並木さんも又失礼かとは思いますが、フローリストとか作家とかではなく、私の大好きな街の大好きな花屋の主です。

    またお邪魔します。
    失礼な物言い ご容赦ください。

    • なみき より:

      涙が出そう。
      素敵なお言葉の数々、ありがとうございます。
      花屋の私にとって最高のお褒めのお言葉をいただいたと勝手に理解しております。
      実は私自身もたくさんの花たちが店内でのびのびしている様子が大好きです。
      小さくて楽しそうなおしゃべりまで聞こえてくるような気もします。
      そんな中で眠ることができたら、本当に素敵だなと思います。
      お客様の様々な人生の中で、ジェンテがホッと一息つける場所であるように、
      これからも花を楽しんでいきたいと思いますので、久戸瀬様もどうぞよろしくお願いいたします。

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